Home > 03あなたへのメッセージ > 14 頼るべきものを失ったときに

14 頼るべきものを失ったときに

神よ。私の叫びを聞き、私の祈りを心に留めてください。
私の心が衰え果てるとき、私は地の果てから、あなたに呼ばわります。
どうか、私の及びがたいほど高い岩の上に、私を導いてください。
(旧約聖書『詩篇』61:1-2)

 みなさま、こんにちは。

 地震、津波、原発事故に遭われた多くの方々に、 一瞬にして愛する肉親や友を失った人々に、心からお見舞いを申し上げます。
一日も早く復旧が進み、元気を取り戻してくださることを、お祈りいたします。
苦しんでいる人々を前にして、私たちはことばを失います。
慰めることも励ますことも、とうていできない無力を痛感します。

 ところが被災地では、不思議なことも次々に起こったようです。
悲しみと絶望の中で慎み深く振る舞う人々の姿が私たちの心を打ち、全世界を驚かせました。またそこには、自分よりも過酷な経験をしている人たちを思いやり、いたわる人々が、何人もいたのです。自分の苦しみを振り切って救援に当たった人々のことを、私たちはたくさん見もし聞きもしました。

 あの日からまる一か月、我々のところにようやく届いたメールがありました。
津波に襲われて医療器具も通信機能も失って孤立化し、僅かなスタッフで250人の患者さんを屋上に誘導し、流れて来た米俵や食料を拾い集め、沢の水を汲んで煮沸しては、患者さんたちに食べさせ飲ませ、救援隊が来るまでの一週間をしのぎ切った、そしてさらに一か月の苦難の日々を生き延びて、ようやく時間を見つけて仙台に出て来て、ネットカフェで今この返事を書いている......、そんな知らせでした。

 心を揺さぶられました。
被災地の戦いが続き、放射能の心配も絶えない今、私は説教がましいことを言いたいとは思いません。逆にまた、神への不信や不満を言いつのろうとも思いません。人生はなぜか苦悩と痛みに満ちている、けれどもその中で、人はなぜか高貴に振る舞うことがあるらしいのです。どん底にいるときにも、勇敢でありたい、つぶやかず気高くありたい......。そんな祈りが心に湧いてきます。頼るべきものを失ったときに、まだ生きる望みがあり、まだ生きる支えがあれば何と幸いなことでしょうか。

あなたに、神の祝福を祈りつつ。

川越聖書教会 牧師 岸本 紘

Home > 03あなたへのメッセージ > 14 頼るべきものを失ったときに

Search
Feeds

Return to page top